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悪魔が来たりて…2

2002/10/22 32TERU



今も痛い。立ってるだけでズキズキ痛む。
この痛みは小学6年生の子供なら確実に泣き叫んでる痛みだと思う。
まさか、麻酔なしで切開されるなんて……。

(ここから先はかなりプライバシーに関わる話ですが、記録として残しておくべきことだと思うので、書きます)

朝9時から内科(肛門科)へ向かう。予約が出来ないので、9時ちょい過ぎだが医院の中はもうジジババでいっぱいだ。よって、なかなか診察の順番が回ってこない。診察を待っている間、いろんな事を考える。最悪手術だな、とか…。

やっと順番がまわってきた、と思ったら、診察室の待合室に通されただけだった。そこはなんと、診察室と待合室がカーテン一枚でしきられているだけで、今診察してもらっている患者と先生の話がもろに聞こえてくる。
なんてことだ! これじゃプライバシーもあったもんじゃない!俺はそんなところでお尻の話を詳細にしないといけないのか! 最悪だ。
実際に、私の前の前の人が今、診察してもらっている話が、ダダ漏れで聞こえてくる。

先生「腸内にポリープが複数できています」
先生「とくに、これとこれは悪性で、ガンですね」

ガンなのかよ!!!!!!!!!!!!!!(私の心の叫び)

なんなんだここの病院は! 他人に患者のガンを知らせてOKなのか!
最悪なところだ。マジでやっぱり帰ろうか悩んだ。

前の前の人の診察が終わり、カーテンをめくって出てきた。普通のおじいちゃんだった。
顔はそんなにショックを受けていない顔だ。むしろ、私の方がショックを受けていた。

そうして、ショックを受けている間に私の順番がとうとうまわってきた……。

私「おねがいします」
私「おしりに、なんかシコリができて、非常に痛いです」
(先生は普通のおやじでした。女性じゃなくてよかった)
先生「じゃ、見せて」
私「!!」

予測していた言葉だが、やっぱり動揺した。

先生「じゃ、脱いでそこに横になって。体制は、○×#%※の形で」

ちょっと待ってくれ! カーテン一枚だけでしきられたこの部屋でパンツを脱ぐのか!
看護婦があたりまえのように、私のパンツに迫ってくる。
あっという間に、最悪の体制になった。
そして…いきなりだ!

私「ぬぅおおおおおおおおお」(触診開始)
先生「なるほど、これね」
(触診終了)

私は少し放心状態……。

先生「内部に膿がたまってるな。出しといた方がいいね」
先生「じゃ、切開」

意識の遠くで「切開」の声がきこえるが、意味がいまいち理解できなかった。
そして、パンツを履きながら「切開=手術」? 意識が一気に戻った。

私「えっ? えっ? 切開って今日やるんですか?」
先生「そっ、今から。あっちの部屋で待ってて」

…………最悪や。
目から涙はでていなかったが、心は号泣していた。

そして、切開準備が行われる中、私は別の部屋に通された。
!!!!(なんですとっ!)
ここもカーテンかよっ!!!!!!!!!!

信じられない。私が横たわらなければならないベッドの壁がカーテンになっていて、そのカーテン一枚のむこう側はおばちゃんたちがカーテンに背中をひっつけて座っている。
ははは(少し壊れる)。ここでは手術の時もノープライバシーだ。
こんなところで、切開するのか! まさかおばちゃんたちは、自分のすぐ背中の後ろでパンツを脱いで手術待ちをしている男がいるなんて夢にも思うまい。

切開の準備がととのったようだ……時が来た。

看護婦「今から麻酔を打ちますので。少し痛いですが我慢してください。」
私「……は…い」(現実逃避)

すると、看護婦達が私の足や体を押さえつけた!

看護婦「動くと危険ですので」
私「!!!!!!!!!!!」
看護婦「先生、今です!」

次の瞬間、

超、超、超、激痛!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

私「(言葉にならない)!!!!!!!!!!!!」(絶叫)

痛みの中に、さらに痛みがあって、痛すぎて、わけがわからない。

看護婦「もう少しです、がんばって」
先生「すごい膿だね〜」(楽しそう)

(しばらく無限地獄)

看護婦「はい!! 終わりました!」

超疲労、手に汗びっしょり。
現実逃避思考の中で、すごい膿? さっきのは麻酔じゃないのか? なんか変だ。

私「……あの…もう終わったんですか?」
看護婦「はい、すべて終わりました」

……やった!! 終わった!!(我に返る)

看護婦「しばらく、血がとまりませんので、女性用のナプキンなどがあれば、使用していただいて、こまめに取り替えてください」

この時点で、私にはこのギャグのような発言はどうでもよく、終わったことのうれしさの方がはるかに大きかった。

私「はい、わかりました」(なにも考えず素直に)

そして、待合室に戻り、会計の時を待つ。
おばちゃん達が、私の顔をじろじろ見まくっている。

私「そうさ! さっきの叫び声は俺のだ!」(心の中で言った)

座って待っていようと思ったが、痛くて座れない。立ってじっとしているだけでもかなり痛い……。そういえば…麻酔を打ったんじゃないのか? だったら、切開直後もなんでこんなに痛いんだ?
麻酔なしで切開された事を確信しながら私は、会計の時を、痛さに絶えながら、おばちゃん達に「そこ立ってると邪魔だよ」と言われながら、ただひたすら待った。

そして、会計を済ませ、痛み止め、化膿止め、などなど、たんまり薬をもらったが、ナプキンはそこには入ってなかった。
なるほど、自分で買いに行けということか……。